2011年12月13日火曜日

♪何日君再来

ちょうど1年くらい前に勤め先を辞して、時間は使えたこともあり、以前から気にかけていた中薗英助氏の『何日君再来物語』を古本で入手、暇人ならではの感慨を獲得できたのが本年の収穫。版元では重版をしておらず、この物語が現代日本において薄れていってしまうのは、あまりにも惜しいと確認できた。
「ホーリイチェンツァイライ」、近年ではテレサ・テン(鄧麗君)、日本ではかつての渡辺はま子、李香蘭(山口淑子)などの歌唱が知られているが、日本と国民党・共産党その他を含めた中国が戦闘状態にあった1940年代誕生でスタンダードソングとしての実績を有していると思われるのだが、歴史的に中華文化圏での受け入れらえ方は政治(権力者意図)の恣意性に翻弄されたとういう、検証のルポルタージュである。
作詞・作曲者の特定に中薗氏は1980年代の中国でフィールドワークとして接近。オリジナルを歌ったと思われる映画女優・周璇(シュウシュアン)の「映画より劇的な」人生も描写される。確か、「玲玲の電影日記」(2004年)で伝説の女優扱いでストーリーに織り込まれていたのが周璇であったと記憶している。「映画愛」ストーリーを超えて、「玲玲の電影日記」どう読むか、私にはまだ、準備が十分でないようだ。

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